アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「従業員第一、顧客第二」 インド発世界的IT企業、変革のリアルストーリー。

インド国内だけでなく世界的に活躍するITサービス企業の経営者、ヴィニート・ナイアー氏が書いた「社員を大切にする会社」を読んだ。



物語は、彼が子会社の社長を経て親会社の社長に抜擢されるところからはじまる。

就任当時、会社はすでに大企業であったものの衰退の道にあった。
そして苦悩の末、彼が立て直しのテーマに掲げたのが「従業員第一、顧客第二」である。

その結果は、就任4年で売上3倍、利益3倍、顧客5倍、離職率半減…

従業員第一を掲げる企業は他にもたくさんあるが、それに結果が伴うというのは、かなりハードルが高い。
特に好景気の時はいいのだが、いざ不景気となった時に、その信念を貫けるかと言うと過去の例をみても稀有ではないか。

本書を読んで感心するのは、すべてが論理的でありながら、基本は人間個人を尊重し、最重視していること。つまりは顧客第一の視点がいささかもぶれていないことだ。
トム・ピーターズが彼を「ネクスト・ドラッガー」と称するのも理解できる。

たとえば、組織のピラミッドをさかさまにするという発想。日本でも組織図を天地逆にして示し、社員重視を掲げる企業があるが、ここでは視覚の問題ではなく、実際に現場の社員を活かすさまざまな方法を模索し、従業員満足につなげている。そして最終的には彼自身の360度評価にまで行き着く。

繰り返しにはなるが、本書の凄いところは全て実話であり、現役のCEOが自ら書いていること。
改革を進める彼の苦悩、喜びがよりリアルに伝わってくる内容となっている。

理念の大切さ、そして信じる道を貫くことの重要性。学ぶことが多々ある1冊となった。
スポンサーサイト

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

右でも左でもなく前へ進む政治を!「緑の政治ガイドブック」を読んで。

特別な政治イデオロギーを持つわけでもないが、このところの政治の迷走ぶりを見るにつけ、もう少しましな政治家はいないものかと怒りを覚える。それほどまでに今の政治に落胆を覚えているのは私だけではないだろう。

そんな中で、イングランドウェールズ緑の党の元主席議長、デレク・ウォール氏が書いた本書「緑の政治ガイドブック」と出会った。



内容的には、3分の2は主に発祥の国イギリスやドイツなどでの緑の党の歴史に関するもの。設立当初からなかなか賛同が得られず大変な思いをして今日に至った経緯がよくわかる。それがこのところ、グローバル経済の問題点が浮き彫りになるにつけ急速に人気を集め始めたというわけだ。

もともと緑の党は地域に根ざし、そこで育った文化を前提とした活動が起点となっているため、グローバリズムとは対極にある。地球に優しいこと、エネルギー効率を考えれば、緑の党の主張は至極まっとうである。

そして残りの3分の1では、温暖化する地球の危機を世界に拡がるさまざまな現象で紐解いている。あらためて貪欲に成長を求めた結果失われたものの貴重さを今さらながらに気づかされる。

先日、中沢新一氏が中心となって「グリーン・アクティブ」が立ちあがった。これをきっかけに日本でもいよいよ「緑の党」の活動が本格化する機運が高まっていることを感じる。というか、今の政治危機の状態にあっては救世主的な存在になる可能性すら秘めているのではないだろうか。

古いイデオロギー優先の「緑の党」ではなく、進化した「緑の政治」に世の中を託してみたい、本書を読んでそんな想いを強くした。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

サステナブルな視点で広告を考える。

サステナビリティ=持続可能性。
地球、環境に対する負荷を将来世代に背負わせることなくビジネスを成立させること。

承知の通り、広告が20世紀の経済成長をリードしてきた。その結果、豊かな社会が築かれた……はずであった。
が、現実はどうか。利益を十分に享受した結果、取り返しがつかない環境負荷が生じてしまった。
しかもその影響はじわじわと私たちの日常に大きな影を落とし始めているのだ。

広告が成長を牽引した日の当たる部分と環境負荷を増加させた影の部分。
この影の部分を避けて通れなくなったのが今この時代なのではないか。
広告に係わる人間としては、そろそろ責任としてこの影の部分を真剣に考えなければならない時が来ているように思うのである。

広告効果がうんぬんと言われ広告費の削減が話題になったりするが、広告効果が低下したから広告を使わなくなっただけでなく、広告自体が企業や社会の持続可能性に悪影響を与えるから使わないという考え方が少しづつ浸透してきたことを見逃してはいけない。

サステナブルという視点で考えれば、短期間で売上を上げるようなキャンペーンは再考されるべきだ。
また、認知獲得だけを目的としたタレントCMのような、煽ることによって過剰な消費を促す広告もしかり。

地産地消、旬産旬消も見直され始めている。

流れは大量消費から最適消費へ。その時、広告はどうあるべきか。
もちろん、広告を使わないという選択肢も含めて考えるべき時だろう。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

「元気なアメリカ」はすでに復活している?!

経済の長い低迷期間が続いているアメリカ。なかなか浮上のきっかけがつかめない。
聞こえてくるのは、暗い話ばかり、と思っていた……そんな矢先に発売された本書、
「勝てるビジネスのヒント~危機を乗り越えるアメリカビジネス」を読んだ。



本書を読んでわかることは、日本のマスコミはアメリカビジネスの現状をほとんどわかっていない、ということだ。

本書の著者、堀田佳男氏はアメリカ在住25年のジャーナリスト。
リアルなアメリカに日常を置くだけあって、知らない話のオンパレードだった。

あらゆる分野で、新たなビジネスがどんどん生まれ急速に拡大している。しかもそのうちのいくつかはいますぐ日本でも展開可能なビジネスと思える。

私が特に興味を覚えたのが、テキサス州ダラスに本社を置くオーダーメイドのシャツメーカー、J・ヒルバーン社。インターネット全盛のこの時代にありながらオンライン販売もせず店舗を持たずビジネスを急拡大させているという。
イタリア製の生地を使いながらも1枚79ドルという低価格を実現している。
注目すべきはその独自性。「ご自宅にスタイルアドバイザーがうかがいます」とのキャッチフレーズで650人もの採寸スタッフが直接顧客のもとに採寸に出向くのだ。しかもそのスタッフのほとんどはパートで働くスタッフ!

まさに「やられた!」というアイデア。

つまりは顧客の立場で考えると、相対する部分はリアルがベストなのである。

これ以外に、製造業でもアイデア優先のニュービジネスがめじろおし。要は景気が悪いからビジネスが難しいのではなく、アイデアがないからビジネスが成長しないと考えた方が正しい。

読めば読むほど勇気がわいてくる1冊。教訓「常識は疑ってかかれ」、だ。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

人は自分の器以上の仕事はできない。

前に誰かの本で読んだ言葉だ。ニュアンスは少し違うかも知れない、書いた人は忘れてしまった。

ちょうど当時は自身の仕事で壁に当たっていたのでこの言葉が妙に心に残った。
しかしまだまだ遊び盛り、器を大きくすることが必要だと思っても具体的に何をするでもなかった。

器とは何だろう。器量ということであれば、人間力かもしれない。

人間力をつけるためには、とにかく人間修業だ。遊ぶことと同じように勉強しなければならない。
本を読むこともいいだろう。いろいろな人と出会って、自分とは異質な価値観と触れ合うことも重要だ。

ふんぞり返って人に小言を言ってるようではその時点で器は固まってしまう。
だから、いくつになっても謙虚さを忘れてはならない。

この歳になって思うことは、若いうちに器を大きくしておかないと後々大変になるということだ。

自身の体験でいえば、30年かかって何とか大きくしてきた器が、一昨年のある日気づいたらひびが入り、ものの見事に割れてしまった。今はその破片を集めつつ何とか器の形を取り戻しつつある状態だ。

問題はこれからだ。ここから再び器を大きくするためにはある種の覚悟が必要だと思う。
さらに向かってくる数々の試練に立ち向かう堅牢な器にしなければならない。生きていくことは大変である。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

1%のひらめきを形にするのに必要な99%の力とは。

「実現しないアイデアはアイデアとは呼ばない。単なる妄想だ。」
この本の帯にかかれたアートディレクター佐藤可士和氏の言葉である。

う~ん、痛烈。さすがというか、一般人には近寄りがたい、まさにクリエイティブの権化だからいえる言葉。このひと言により売上げが2割、3割は上がったことは間違いない。

スコット・ベルスキが書いた「アイデアの99%」を読んだ。



世の中にアイデアは豊富なのに形にするのが苦手という人がいる。
そういう人に限ってなぜ形にできないのかを真剣に考えていないことが多い。
それどころか自分のせいではないと考えていたりするから始末におえない。

本書によれば、そういう人は3つの力が欠けているらしい。
すなわち「整理力」「仲間力」「統率力」だ。

逆に言えばアイデア実現力=発想力+整理力+仲間力+統率力ということになる。

本書では3つの力を一つ一つ紐解いて詳しく解説している。
ひらめきはたったの1%、残り99%ということになれば、クリエイティブ力の不足をこの3つの力で充分に埋めることができるということになる。

確かに今の世の中にあっと驚くような斬新なアイデアはないに等しい。
すでにあるアイデアを別のアイデアと組み合わせて新鮮に見えるように加工している、
そういう意味では、ベルスキのいう理論はまっとうな考えである。

クリエイターが悩んでも悩んでも見つからなかったアイデアの具現化への近道が本書を読んで実現できる、いわば福音書のような1冊。
実はそのヒントは意外とひらめきとは対極にある、ごくごく現実的で地味なものだった。

クリエイティブでなければクリエイターではない。もう、そうは言わせない(ってホントかなぁ…)

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

WHYなき企業に、イノベーションなし。

アップルしかり、サウスウエスト航空しかり。
イノベイティブな企業は、他社とは違う、創業者の強烈なWHY(なぜ)から始まっている。

サイモン・シネックが書いた「WHYから始めよ!~インスパイア型リーダーはここが違う」を読んだ。



WHYとは、なぜ自社が存在しているか?HOW(手法)やWHAT(していること)でビジネスを考えるリーダーは多くいるが、WHYから人々を魅了できるリーダーは数えるほどしかいない。

その代表格が、アップルのスティーブ・ジョブズだとシネック氏はいう。

ビジョンリーダーは圧倒的なメッセージで社員を、そして顧客さえも鼓舞し熱狂的なファンに変えてしまう。
コンピューターでも携帯電話でも、仮に家電製品を出しても、彼らは決して浮気をしないだろう。
それは製品を買っているのではなく、まさにジョブズの思想そのものを買っているからだ。

しかし問題なのは、そのビジョンリーダーが会社を去ったとき。
かつてジョブズがアップルを追われ復活するまで長い低迷期が続いた。
経営は引き継ぐことはできてもWHYはなかなか受け継ぐことができないという証である。

従って心配なのはジョブス亡き後の現在のアップルだ。
はたしてジョブズのWHYを受け継ぐことができるのか。

ジョブズのような強いWHYを持ったリーダーにはどんな訓練を積んだところで誰もがなれるわけではない。
しかし、その考え方を学ぶことで会社を寄りよい方向へ導くことは可能だ。
本書はそのWHYから考える重要性を教えてくれる1冊である。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

「プレニテュード 新しい<豊かさ>の経済学」を読んで

今日この瞬間にも確実に進んでいる地球温暖化。

今年の冬の寒さは温暖化がストップしたかのようにみえるが、長いスパンで見ればほんの些細な誤差の範囲だろう。

ジュリエット・B・ショアの書いた「プレニテュード 新しい<豊かさ>の経済学」を読んだ。



本書のキーワードでもあるプレニテュードとは、環境に配慮した生産・消費のシステムと、個人のゆったりとした働き方・暮らし方とが合致する新しい豊かさを指す。

環境破壊の現実と働き方・暮らし方を考え直すことで開かれる新たな豊かさに満ちた未来。
絶望か希望か、間に合うか間に合わないか、今その境目に立たされていることが本書を読んでひしと伝わってきた。


新たに気づかされたことも多い。たとえば第2章「消費ブームから環境破壊へ」のファストファッションのくだり。
大量消費がそのまま大量廃棄につながっている現実は、知れば知るほど悲痛な気分にならざるをえない。
問題なのはその事実を知らないまま買物を続ける消費者の姿だ。しかも就職先では凄い倍率の人気企業となっている。正直自分自身でも総論と各論を使い分けているところがある。つまりはこうは言ってもまだ長年続けてきた消費習慣からは解放されていないからだ。

働くということについてもあらためて考えさせられた。
環境負荷という視点で見ると、よかれと思ってやっている長時間労働もまったくもって良いところなしだ。
つまりエネルギー消費は進むし、場合によっては捨てられる運命の過剰生産を進めることにもなる。
本当に大切なのは必要な分だけ作り、作った分だけ消費するということ適正経済なのだから。

いま一度、社会のあり方そのものを地球視点で見直す必要を痛切に感じている。
本書の意義は、そんなきっかけを提供してくれていることかもしれない。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

大公開時代の必読書、それが「ザ・サンキュー・マーケティング」

「ザ・サンキュー・マーケティング」を読み終えた。



タイトルに掲げたのは本の帯に書いてあったキャッチフレーズであるが、まさに世は大公開時代まっただ中にある。

大航海ならぬ大公開、つまり誰もが情報発信者となれる時代。
そんな時代のマーケティングを本書の著者ゲイリー・ヴェイナチャック氏は「サンキュー・マーケティング」と名付けた。

ヴェイナチャック氏は、実家の酒屋の事業を8年間で年商300万ドルから4,500万ドルまでに拡大した実業家。その成長の核となったのがインターネット、ソーシャルメディアだ。
(彼がいかにビジネスを成長させたかは前作「ゲイリーの稼ぎ方」に詳しい。ちなみにこちらも良書)

彼が成功したポイントは、一人ひとりの顧客と1対1の関係を築くこと。そのためには労力を惜しまない。あくまでも売上は結果なのであって、重要なのはどのように顧客の期待に応えることができるかにある。

つながることでおしゃべりが進み、絆が生まれ、交流が深まる。よくよく考えてみれば、そこにあるのは昔街のあちこちにあった商店の話好きの親父とお客の姿だ。

そして彼曰く、成功する者と成功しない者を分けるのはほんの些細なこと。
変化を恐れずただちに行動できるか否かにあるという。

ヴェイナチャック氏は、サンキュー・マーケティングを「マーケティングの世界で孤立し、ないがしろにされ、無視されてきた消費者と親密な関係を企業が結んでいくこと」と定義づけている。

つまり親密な関係を結んでいくために活用したのがインターネット、ソーシャルメディアという手段なのだ。
ともするとソーシャルメディアありきのマーケティング論になってしまうが、あくまで手段のひとつと考えられるところが、彼がソーシャルメディアの本質を知っている証とも言えるのではないか。

彼はまたこうも言う。「ソーシャルメディアは今この時点では顧客との関係づくりに最適な手段であるが、永遠に続くものではないと。時代が変わればまた新たな手段が登場するのは間違いなく、それだけに絶えず先を読むことが重要になってくる」と。

決して彼はソーシャルメディア万能と考えていないところも好感が持てる。場合によっては屋外看板などの伝統的メディアと組み合わせることもさらに効果的と柔軟だ。

ソーシャルメディアのエッセンスを取り入れることでまた見えてくることもあるはず、何はともあれ初めて見ることだ。一歩踏みきれない時の背中を押してくれる、そんな1冊である。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

研修君、ブックカバー掛けのプロをめざせ。

先日、名古屋駅に近い大手書店に行った時のこと。

いつものように本を持ちレジに向かうと、目の前に研修中の名札を付けた新人と思しき店員が。
(ちなみにこの大手書店、研修中の名札を付けた店員が年中見受けられる)

そもそも研修中の人間にレジをまかせるなという声もあると思うがまぁそれは良しとして、
会計と同時に本のカバー掛けをお願いした次第。

たどたどしくもカバー掛けを終えた研修君、しかしよく見ると本のサイズと比べてかなりオーバーサイズである。

どちらかというと細かいことを気にしない私であるが、このカバー掛けの所作についてはいつも気になってしまう。掛け方ひとつでなんとなくその店員の性格までわかってしまう気がするから不思議。なぜそこまで気にするかというと、そこにサービス業に携わる人の基本的資質が見えるからだ。

おそらく研修中の新人君はサービス業に向いていない。読む人の立場に立ったブック掛けができないというのが理由である。

百歩譲って、もし自分の至らなさに気づくなら、いっそのこと、この書店一のブックカバー掛けのプロを目指してほしいものだ。新人であればできることは限られるし高度なことは経験が必要になる。
てっとりばやく評価を受けるならカバー掛けなどは最適だと思うが。

どんな些細なことでも一番になるということは意義のあること。
何かを達成することで自信がつくしやる気にもつながるだろう。

サービス業は奥が深い。
大切なのは些細なことに気づくことができるかできないか、この違いが、やがて大きな差を生むことは間違いない。

※ちなみに環境のことを考えればブックカバーは断るべきもの。
 しかしレジ袋は断れても、こと本に関しては今だカバーを断ることができない。環境に優しくない私である。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。