アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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ネットワークはヨコのつながり。

「小さな企業のソーシャルビジネス~京都発ソーシャル行き」を読んだ。



京都でソーシャルアントンプレナーネットワークという、社会起業家をまとめる非営利の組織を運営するふたり、
経営者と元大学教授の共著。

会社というのはタテ社会というように、上司と部下というタテの関係で成り立っている。
役職で呼び合うのはその典型で、その傾向が強い会社ほど封建的で建前主義であることが想像できる。

その一方で最近では「さん」づけで呼ぶ会社も多く、こういう会社は
社会へ扉が開かれている可能性が高いのではないだろうか。
こうしてみると組織の形を見るだけで会社の考え方までわかるのだから、たかが呼び方とあなどれない。

しかし、これからの時代、会社にとってもっと重要になるのがヨコの関係である。
このヨコの関係、タテ社会の意識が強い会社ではなかなか作れないので、さらに始末に負えないのだ。

タテからヨコへ。このキーワードを甘く見ると、経営は自然と時代から取り残されていくことになる。

さて、肝心の本書の内容であるが、
共著者のひとりである経営者は、京都でオフィス用品販売のカスタネットという会社を経営する植木力氏。

植木氏は立ち上げ時からビジネスを通じて社会に貢献する意識を持った、根っからの社会起業家。
ヨコへのネットワークを広げ、さまざまなアイデアをいろいろな人たちと出会い形にしている。
キフトという贈り物と寄付を組み合わせたアイデア商品をはじめたり、カンボジアに学校を建設したり。

まだまだビジネス自体は成長過程のようであるが、社会に役立つことを第一義として
可能性を追求している素晴らしい人柄であることが本書からも窺える。

その他にソーシャルビジネスを営んでいる小さな企業に実例が豊富なのも本書の特長。
ソーシャルビジネスというと、とかく大企業の話と思われがちだが、会社の規模に関係なく
大切なのは想いの強さであることが本書を読むとよくわかる。
社会起業を目指す人にも、社内で社会的な事業の立上げを考える人にも大いに参考にできる1冊である。
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「3.11」が変えた、働き方観。経営のあり方も変わる。

今週号のアエラで読んだ、「3.11」後の転職事情。

ビズリーチが実施したアンケートによれば、
「震災後、仕事に対する考え方に変化があった?」という問いに、「はい」と答えた人が過半数を大幅に超え、
さらに「どのように変わったか」に対して、
「仕事を通じて社会貢献をしたいと考えるようになった」と答えた人が、最上位になったという。

そして、自分自身の働き方を再確認する中で、収入や肩書ではなく自分自身のものさしで
転職をするという機運が高まっていることを記事は伝えている。

離れた地にあって幸いにも今までの「日常」で生活できている私自身でも、
大げさかもしれないが「生きるとは」「働くとは」を、気がつくと自問自答している毎日だ。

もちろん会社は利益を追求するものだ。それでなければ成り立たない。
とすれば、肝心なのはその利益の求め方なのだろう。

はじめに利益ありなのか、世のため人のためになる結果として利益を得るのか、
同じように見えても180度違うと思うのだ。

世の中にビジネスを通じて社会貢献を考えるようになった人が増えれば、
きっと企業の利益の求め方が今まで以上に問われるようになるだろう。

できるなら、共感できる会社の商品を買いたい、サービスを利用したい。
そんな価値観を受け止めて経営を再考すべき時が来ているようだ。

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すべての広告マンは、シンボリックアナリストに変身せよ。

植田正也氏の「2015年の広告会社」を読んだ。



2005年からはじまって5年毎に1冊、つまり今回が第3作となる、広告会社の寿命予測本だ。
この間加速度的に淘汰は進んでおり、早い話、私自身もその体験者となった。

副題に「80%の広告マンが市場から消える」とあるように、
2015年は広告業界にとって、いよいよ20世紀型の広告会社が世の中から消える節目の年になると植田氏。
(ここでいう20世紀型の広告会社とはマスメディアの媒体代理によるマージン主体の広告会社)

過激な論調が植田氏の売りでもあるが、あながち間違ってはいないと思えるところに、
広告会社の置かれた厳しい現実が垣間見える。

特にこの東日本大震災を契機に、
成長を前提とした「豊かな社会」から、成熟した「良い社会」を望む方向へ
世の中の価値観が大きく変わってきている気がしてならない。
まさにアテンション中心のテレビCMの時代には印籠が渡されようとしているのだ。

本書に話を戻すと、その中で、唯一生き残れる方法と植田氏が提言するのが、
タイトルに掲げた、広告マンが「シンボリックアナリスト」に変身すること。

ここでいうシンボリックアナリストとは、
かつてフォード、カーターの両アメリカ大統領の政策ブレーンも勤めた
ロバート・ライシュ・ハーバード大学教授が提言した、

(1)自ら問題を発見できる人
(2)自ら問題を解決できる人
(3)発見、解決できる人を知っている人 

を指すが、このような問題発見、課題解決能力に優れたシンボリックアナリストを植田氏は
、広告マンの未来のあるべき姿とダブらせる。

さらに植田氏は、21世紀の広告ビジネスの哲学(=ビジョン)を次のように想定、
それに徹すれば必ず道は開けると。

(1)広告は、言葉のビジネスである。
(2)商品は、革新的なアイデアである
(3)業種は、問題解決業である。
(4)手段は、クリエイティブである
(5)業態は、知識創造産業である

どうだろうか、この5つのポイントに自らの可能性を感じられる人は、
すでにシンボリックアナリストへの道を歩み始めているのかも知れない。

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あなたの周りにもいる、ガラパゴス上司。

レバレッジコンサルティングの本田直之氏の新刊、
ホウレンソウはいらない!~ガラパゴス上司にならないための10の法則を読んだ。



本田氏いわく、今は過去最大のコミュニケーションギャップの時代だそうだ。
特に右肩上がりの時代で育ってきた世代(30代後半くらい)と、
バブル崩壊後の不況の中で育ってきた20代世代の間で著しいと。

ちょうど会社ではこの右肩上がり世代がプレイングマネージャーをまかされるタイミングにあり、
部下を指導できないジレンマをかかえている上司が急増しているとか。
こんな上司を本書では「ガラパゴス上司」と定義づけている。

育ってきた時代背景による考え方の違いはもちろんであるが、決定的なのはIT環境。

デジタルネイティブとも言われる20代世代は物心ついた頃からパソコンがあり、
デジタル的思考は当り前。

それに対して右肩上がり世代のプレイングマネージャーたちは、
今までのマネジメント、マネージャーの仕事術が時代遅れになってきているのもかかわらず、
自分が受けてきた「以心伝心」の昔ながらのやり方を押し付けるしか術をしらない。
それではうまくいくわけがないのだ。

本田氏は本書で、現在は新旧のマネジメントが交代する過渡期であるとして、
これからの時代に求められるプレイングマネージャーの資質・方法論を提唱。

肉食系上司のマネをしても草食系部下には通用しないため、
自分たちなりの新たな仕事術を開発していかなければ、自分自身も生き残れなくなると警鐘を鳴らしている。

本田氏は皮肉交じりに「ガラパゴス上司になるための10の法則」を紹介しているのでここに記す。

1.本を読まない
2.「自分と同じことができるだろう」と期待する
3.「がんばれ!」が口癖
4.「いいメンバーがいない」と思っている
5.モチベーションを上げようとする
6.考え方を変えさせようとする
7.ホウレンソウに時間をかける
8.何度でも同じことで怒る
9.「ITスキルは仕事に関係ない」と思っている
10.外部要因思考

さて、あなたの周りにこんな「ガラパゴス上司」はいないだろうか。

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「What」と「How」の前に、「Why」。

TVCMの黄金期を築いた貢献者のひとりで現在、電通顧問。
そして私自身非常に影響を受けた「ホリスティックコミュニケーション」の共著者でもある
杉山恒太郎氏の新刊「クリエイティブマインド」を読んだ。



今63歳、ど真ん中の団塊世代。しかし、その「クリエイティブマインド」は
一世代も二世代も若く衰えを知らないように思う。爪の垢でも煎じて飲みたいところである。

本書はかつての若い仕事仲間に杉山氏が発した言葉を本人たちから再収集、
その言葉に対して自身の考え方をあらためて記したものだ。

タイトルに掲げた「What」と「How」の前に、「Why」、はその言葉の中のひとつ。

何を伝えるか・・・What
どのように伝えるか・・・How

私自身もCMを作っていただけにわかるが基本中の基本、
CMには欠かせない最も意識して考えるべきポイントだ。

しかしそれ以前に「Why」、すなわち「何のために」がもっと大切だと杉山氏はいう。

この場合のWhyの意味は、社会に対してどういう価値があるのか、ということ。

考えてみれば、ただ驚かしつかみを得て満足する時代は終わったと言える。
今から先の時代は、その商品が社会にどんな価値を提供できるかに
企業もクリエイターも責任を持てなくてはならない。

だから「Why」なのである。

この「Why」、広告のクリエイティブに限らず、ビジネスすべてにおいて
重要なキーワードになってきていると思う。先日も書いた「ミッション」といわば同義語だ。

この章を杉山氏はこう締めくくる。

「What」や「How」ももちろん重要なのだけれど、それ以前に「Why」を重視する。
それだけ人間や社会というものをきちんと見つめる目が、作り手にも問われているんです。

この言葉を含め、含蓄を含んだ40の「つくる力を引き出す」言葉たち。
そしてそのひとつひとつの言葉がいずれも、後の優れたクリエイターたちを育てた珠玉の言葉なのである。

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「成功する」と「成功し続ける」の違い。

大ヒット商品のおかげで一躍有名になったものの気づいたら消えていたという会社は山ほどある。
その一方で、特にヒット商品があるわけでもないのに、何十年、何百年と愛され続けている会社もある。

その違いは、一体なんだろうか。

そんなことを考えている折、この新刊に出会った。



かの村尾隆介氏と森川あや氏の共著による、「変える」は会社の毎日のお仕事。
副題に、成功し続ける会社のリブランディング戦略 とある。

このところ新刊ラッシュ、おなじみ「小さな会社のブランド戦略」の村尾氏。
かたや、ブランドづくり専門のコンサルタント、森川氏。

村尾氏が主に考え方を担当、森川氏が具体的な方法論をといった役割分担で、バランスよく
実例も交えながら「リブランディング戦略」について解説している。

ブランドイメージを刷新することをリブランディングと呼ぶのだが、
すでに出来上がっているイメージがあるだけに、一朝一夕ではリブランディングできない。
そこでしっかりした考え方が必要になるというわけだ。

ふたりは、ブランドになるための6つの条件を掲げている。

独自性=他にはないものか?
新奇性=新しさはあるか?
希少性=珍しさはあるか?
時代性=時代に合っているか?
社会性=社会の役に立っているか?
集中性=市場は絞り込まれているか?

この6つの条件をもとに、誰もが知っている強いブランドを思い起こしてみると、
確かにあてはまりそうな気もする。

ブランド作りとは、これらのポイントを押さえながら、あらゆる顧客接点で
共通の世界観を提示すること。
地道なまでの継続性で、真に強いブランドが時間をかけて出来上がっていくというわけだ。

当然ながら、そこには経営者の強いミッションとビジョンが必要である。

こんなたとえ話がある。

偶然通りがかった道で、レンガを積んでいる職人に出会った。
何をしているんだい?と訊ねると、
ある職人は「見たらわかるだろう、レンガを積んでいるんだ」と言った。
別の職人は「教会を作って、ひとりでも多くの人に宗教を布教するためさ」と言った。

強いミッションは人の行動を変えさせ、社会にもより良い影響を与えることができる。
さらに、働く人たちみんながミッションに共感できれば結果として強いブランドができあがる。

企業にとってもっとも大切なのは、お金でも綿密な事業計画でもなく、
強いミッションではないだろうか。ブランドづくりのすべてはそこから始まる。私はそう考える。

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サスティナビリティ CSR検定に合格!今、思うこと。

自然環境の保全と社会の持続性を高めるCSRの普及・定着を目的として実施されている
「サスティナビリティ CSR検定」。

今年9月、第五回目の検定試験が東京と大阪で実施され、出かけやすいということもあり大阪で受験。

試験終了後、自己採点で合格であろうことはわかっていたのであるが、
こうして合格証が届くとあらためて実感がわいてきた。

合格証


正直、仕事が終わってからの試験勉強はこの年齢になっては厳しい。
それだけに記憶力・忍耐力の低下が著しい中でのこの合格は、たかが1資格とはいえ、
自分自身にとっては意味のあることだと思うのだ。

さてCSRは日本語で「企業の社会的責任」と訳され、
企業に経済的発展だけでなく、社会、環境に責任を持つ、いわゆるトリプルボトムラインの必要性を促すもの。
検定では、その考え方を試されるとともに、個人の社会問題や環境保全への参加意識の高揚も狙いとしている。

私はといえば、先に合格した「eco検定」、そして今回の「サスティナビリティ CSR検定」を学ぶ過程で、
高度成長期から今日まで、企業が環境や社会に与えてきたさまざまな問題をあらためて知ることになった。
当然、それに伴う企業の責任も重大だ。
そして何より考えなければならないのは、その拡大の重要な一翼を担ったのが広告業界であること。

消費は美徳とばかりに、広告が後押しした大量生産・大量消費。
必要でないものまで買わせるテクニックをクリエイターたちが競っていた時代があったのは事実だ。

広告業界の内側にいる間は見えなかった問題をこうして外側から客観的に見えるようになったことは、
自分にとっては意味のあることだと思っている。

広告の役割も、消費の無駄を増やすことから、少しづつ次の世代のために無駄を省く方向へ変わってきている。

重要なのは今回学んだことを私自身の次に活かすことだ。
資格取得はあくまで手段であって、それ自体が目的ではないのだから。

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若年層のテレビ離れは深刻、では映像コンテンツビジネスの未来は?

今週号の週刊ポストに気になる見出しが踊った。タイトルは「テレビは死んだ」。

最近の報道姿勢の問題、メディアとしての独立性の喪失など
多角的にテレビビジネスの限界を特集記事としてまとめている。

その記事のひとつが、深刻な若者のテレビ離れだ。
総務省の最近の調査では、10代20代の視聴時間が、わずか5年で3割も減ったとのこと。
さらに別の調査では、20代以下でテレビを見ない層が14.7%もいることがわかったそうだ。

この傾向、別に今に始まったことではないと思うが、
このところのソーシャルメディアの普及が、さらに減少のスピードを加速させているのかもしれない。

しかしながら、テレビを見ないことと映像を見ないことはイコールではない。

最近読んだ「明日のメディア」で、著者志村一隆氏は、映像コンテンツを作るというビジネスは、
これから爆発的に増えると予測している。



その背景には、すでにアメリカでは大きな波が来ており、日本にも近い将来普及が加速するであろう
スマートテレビをはじめとするデジタル機器の存在が大きいようだ。

ニーズが高まってきているのに供給者が少ないビジネスであり、デジタル機器の爆発的な普及は、
コンテンツ制作者にとっては大きなビジネスチャンスだと志村氏。

つい最近まで、広告会社や映像会社にとってはマスメディアとしてのテレビの限界がピンチのはずだったのに、
一転、大きなビジネスチャンスとは。しかし、すべての会社に当てはまることではないことは明白だろう。

かのダーウィンの有名な言葉を思いだす。
「いつの時代も、生き残るのは力の強いものではなく時代対応できたものなのだ。」

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「いっしょにチャレンジしませんか?」熱い想いが人を地域を元気にする。

富士市産業支援センターF-Bizセンター長、小出宗昭氏の書いた、
「次から次と成功する起業相談所~人も企業も地域も生き返らせます!」を読んだ。



タイトルも装丁も、率直にいえばダサいのひと言。
手に取るのを躊躇うくらいだったが、これが読んでみればなかなかの良本。

これから起業を目指すものの迷いがある人、もしくは起業したもののなかなか突破口が見出せない人、
今壁に直面している人には、勇気が湧き上がってくるような1冊だ。

小出氏はもともと富士銀行出身のエリート銀行マン。
銀行から出向して、起業を目指す人、もしくは起業したばかりの人へ融資する立場にあった人。

本人も言っているとおり、銀行の人間といえば、とかく上から目線で、
支援するというよりは、問題点をあれこれ並べ立て挑戦を思い留まらせようとする傾向が強い。
こういう回収の難しい時代はなおさらである。

小出氏も当初はそんな考え方であったが、現場で起業家たちの頑張りに触れるうちに、
心底応援したい気持ちに変わって言ったそうだ。
どんな起業家にもその人にしかない強みがあり、気づいていない強みを発掘するのが自分の仕事と小出氏。

小出氏は今日まで、月に120件~140件の相談に乗り、
10年間で750件以上の新規事業の立ち上げに関わったという
いわば起業のプロフェッショナル。
本書はそんな小出氏が実際に携わった事例の集大成、まさにアイデアの宝庫である。

タイトルに掲げたのは、小出氏が日頃から発信しているメッセージだそうだ。
このひと言に小出氏の起業支援の考え方が凝縮されているのではないだろうか。

起業家とパートナーシップを組み、一緒に苦労をともにしてビジネス成果を追求する。
言ってみれば、究極の横から目線だ。

起業家が増えれば町が元気になる。町が元気になれば経済も潤う。
その一心で取り組む小出氏のもとには今日も多くの起業家が、きっと相談に訪れていることだろう。

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