アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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まだ折込チラシですか?

年末で家にいる機会が多いので、新聞の折込チラシが目につく。
主に、生鮮スーパー、家電店、住宅関連と言ったところだろうか。

あえて目につくと言ったのは、普段はほとんど折込チラシに接する機会がないからだ。

職業柄、本当は毎日見なければいけないのだろうが、生活者の立場になってみれば、見なければならない必然がある訳ではないので、まぁ、見ないというのは自然な状態と言えるかも知れない。

データによると、特に若い人の新聞購読率がここ5年くらいで著しく下がっている。
中には、新聞は手が汚れるので読まないと言う、かつてでは想像もつかなかったような意見もあったり。

しかし、そんな状況であっても、折込チラシの枚数は減る様子はない。
折込チラシの基本はエリアマーケティングであるから、店舗近隣を商圏とする場合は、折込チラシ以外の代替メディアがなかなか見つからないというのが本音であろう。

そんな折、日経ネットマーケティングで、デニーズの「デニモバクラブ」という、ケータイを使った顧客囲い込み事例の記事を読んだ。
導入前の重要課題は、チラシの効果低減。
その活路をケータイに求めた結果、導入されたのが「デニモバクラブ」だ。
一年を経て会員が30万人を突破、クーポンが好評で来店のリピート率が急増したそうである。
メールを活用したケータイマーケティングというのは決して目新しいものではないが、今こういった成功例が出てくるのは、パケット定額制が浸透、ブロードバンド化も着々と進化して、いよいよ本格的にケータイをマーケティングに活用できる下地ができあがった証であろう。

折込チラシを減らしてケータイへ予算をシフトしていく流れが来年は大きく加速すると考える。
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TV局のパチンコCM規制とアニメ

私自身はパチンコをやらないが、パチンコホールのTVCMはいくつか創っている。
現在、パチンコ業界は大不況にさらされており、他業界同様、勝ち組負け組がはっきりしてきている。
不況の原因は、今年4月に改正施行された「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」で、これによりパチスロが低迷しパチンコ業界全体の大不況につながったとされる。

そんな状況下で、このところ目立つのがアニメキャラクターだ。
「新世紀エヴァンゲリオン」が当たり、その二番煎じを狙ってこの12月には「ガンダム2」が追随する。
そんな中、異色を放っているのが「創聖のアクエリオン」だ。
主題歌のCDがオリコン22位を記録、同様に不況に陥っている音楽業界に新たなビジネスチャンスをもたらした。
しかもそれを口ずさむのはパチンコユーザーではない女子高生という図式だ。

その一方で、TV局はTVCMの放送規制を加速させている。
特にホールのCMでは、射幸心をあおることにつながる表現は一切放送できない。
それなら流さなければ良いのにとも思うが、そこにはTV局の収益という背に腹は代えなれないという身勝手な事情も見え隠れする。

女子高生を巻き込むアニメキャラの人気と、できればパチンコホールのCMは流したくないというTV局のCM規制。
矛盾を抱えるこの二つの要素が、今後どのようになっていくのか、興味を持って見守っていきたい。

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バス運転手のため息

日々バスに乗る機会があるのだが、今日は21時頃、バスに乗った。
バス運転手は、疲れているのか、やたらため息をつく。本人は自覚がないのかも知れないが、そのため息をマイクが拾ってしまうのだ。
そのため息を聞くたび、どきっとして、事故を起こさなければ良いがと願ってしまう。

そういえば、先日の船場吉兆の記者会見での出来事も同様の状況だった。
記者会見に同席した母親の役員が、息子に耳打ちをした言葉がそのままマイクで拾われてしまった。

最近のマイクの高性能化は、以前なら気付かなかった心情までクローズアップしてしまう。
それはそれでドラマチックであったりするわけだが。

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「小田和正」的生き方、クリスマスの約束

この年齢になると、そうそうクリスマスの楽しみというものはなくなるけれど、唯一クリスマスの楽しみとしているのが、TBSで放送される小田和正の「クリスマスの約束」だ。
数えて何回目となるのだろう、ことしもクリスマスの夜に放送された。

初回の記憶を遡れば、彼が競演したいミュージシャンの依頼の手紙を書いたのだが、松任谷由美はじめ、ことごとく出演を断られた。
そんなスタートであったが、回を重ねる毎に、彼の想いに賛同して有名ミュージシャンが出演することになって今日に至っている。

出演者のあくまで仕事というより賛同というトーンが心地よい。
ほかのどの番組で見るより、共演者が活き活きとしているのが印象的だ。
今年は、宮沢和史、さだまさし、矢井田瞳、佐野元春らが出演、それぞれが心から音楽を愛していること、そして小田和正をリスペクトしていることが伝わってきて素直に心を打たれた。

今年60歳、還暦を迎えた小田和正。60歳にしてしか実現できない音楽の魅力の本質を伝えられること、それはやはり音楽を愛し続けてきた熱い想いであろう。申し訳ないが、若い人にはちょっとやそっとでは近付けるものではない気がする。
歳を経たからこそ自然にほとばしる、その潔さ、優しさ。素直に見習いたいと思う。
そして。
視聴率至上ではない、こういった意義のある番組を継続していこうという気概が民放TV局にあれば、未来は決して暗いものではない、そう感じた。

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川上弘美「センセイの鞄」

心が疲れた時に読みたくなる本がある。
たとえば、川上弘美の「センセイの鞄」もその一冊。
久しぶりに読んでみたい気分になり、あえて文庫版を買った。

余談になるが、文庫を買うことで、読みなれた本でも何か新たな一冊を読む感じがするから不思議だ。

川上弘美の作品を読んで、思うこと。

彼女の作品の中では時間がゆっくりと流れている。
どうやらその時間の流れが、ストレスで速くなった心拍を落ち着かせてくれる効果があるようだ。

もうひとつ、彼女は漢字表現が絶妙だ。失われつつある日本語の美しさを気づかせてくれる。
センセイの鞄の中に、「無闇矢鱈」という表現が出てくる。むやみやたらとは時々口にするけど、漢字にしてながめると全く別なものに感じられる。
大辞林で調べてみると、むやみを強めた語とある。なんのこっちゃという感じであるが、ちなみに矢鱈は当て字だそうだ。あらためて字面を眺めてみると発する言葉とは別物で、いまにも漢字が独り歩きしていきそうだ。

センセイは最後の最後にあっけなく逝ってしまう。そのさりげなさ、淡々さがこの作品の魅力をさらに引き立てている。
ちなみにそんな潔さが、私の理想でもある。

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キットカットの波紋型マーケティング

見事にブランドを再生させた一例としてよく取り上げられる「キットカット」。
きっと勝つやサクラサクのキャンペーンを知っている人も多いと思う。

以前は知名度は100%近いのに、別にあえて買おうとは思わない、いわゆる墓場ブランドとなっていた商品であった。TVCMを打てばそれなりに売上は上がるが一時的なもので終わってしまう。

今一度ブランドを立て直さなければならない、試行錯誤を繰り返してたどり着いたのが、
波紋型マーケティングということだ。

まず行ったのは、コミュニケーションターゲットの絞り込み。メインターゲットである高校生にフォーカスした。
次いでメッセージの伝達方法を、広告的ではない、PR的な手法・クチコミ的手法ともいえる第三者を通してメッセージを発信するやり方に変えた。
社会性、公共性を重要視したのである。

口コミを軸として、そこからの波及効果を地道に求めた。
こういったコミュニケーションは定着するまで時間がかかる。そこにはクライアントの理解と我慢も必要だ。また何より提案する者への信頼がなければ継続しない。
そのすべての条件が揃って、キットカットは見事にブランド再生した。

広告会社にいる人間として、マス広告の効果低下は肌で感じていても、どうしても過去からの経験でマスを優先して考える習性はぬぐえない。このキャンペーンを推進した関橋氏の書いた著書を読んでもそのあたりの苦労が目の当たりにできるのだが、彼はそこを実践の繰り返しで自らの価値観の転換も含めて乗り越えた。

波紋型マーケティング。
同じ広告に携わる者として、いろいろと学べることが多い。

参考:関橋氏の著書
「チーム・キットカットの きっと勝つマーケティング―テレビCMに頼らないクリエイティブ・マーケティングとは?」

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上昇気流に乗るか、低空飛行で行くか

先週、以前勤めていた会社のOB会があった。
その会社は、今はほとんどの社員が退社してしまって、残っているのはもう自分の知らない数人ばかり。
辞めた者は、独立して仕事をしている人間が多く、いわゆる個人事業主である。

酒が進むにつれて、今後の生き方について話が盛り上がった。
個人で仕事をしている者は、会社時代より楽で現在の自分に満足していると言う。
今のままで十分幸せ、新しい事を始めようとも思わないし、特に未来に夢を描くこともないと。
本音かどうかはわからない。
年齢的には40代後半から50代半ば。

確かにその年齢から考えればすでに人生の折り返し地点を過ぎて安定を良しとする年齢だろう。
しかし、悲しいかな広告業界は大きな転換期にある。明日は今やっていることが全く成立しなくなることも大いにあり得る。
つまり今の安住を求めても、社会がそれを許してくれない時代がやって来ないとも限らないのだ。

だから、まずこんな時代になっていることを受け入れなければならない。受け入れるためには、苦しくても過去を捨て新しい挑戦を続けなければならないのだ。

ある者が言った。「低空飛行には低空飛行の生き方がある。」
確かにそれもいいだろう、しかし、低空飛行をするためにも、目標、夢というエンジンが必要なのではないか、エンジンなくしては飛びたくても飛べない。他人事ながら、元同僚として寂しさを覚えた。

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島本理生「クローバー」の新境地

若干24歳、島本理生。しかし恋愛小説の分野ではすでに確固たる地位を築いている。
前作「ナラタージュ」では、若さゆえのストレートで狂おしいまでの感情表現、天賦の才能のほとばしりを感じた。

彼女の新作「クローバー」を読んだ。

これまでの作品とは打って変って、ややコミカルなタッチで展開される。
後書きにあるように、随分悩んだ末に完成した作品のようだ。

性格も正反対の一卵性双生児の姉弟、弟に恋心を寄せる恋愛べたな女性という人物設定。
優柔不断な性格であるが、彼女の一途さ、想いに触れるうちに少しづつ心を開いて、やがてかけがいのない人と気づく。

そこには今までの作品のような過激さはなく、ひたすら淡々とした日常が描かれている。
今までの彼女の作風を愛する者としては物足りないところもあるが、読後には、爽やかで温かな感情に包まれた。

新境地を開いた島本理生の次回作が楽しみである。

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ネットorノット?

立場上、毎年、部下に年間の目標を書かせることになるが、読んでいて気づくことがある。
それは、日頃の業務にネットを取り入れていないものほど、ネットに対して真剣に取り組みますというような安易な文言が多い。
しかも、非常に表面的に美しく書かれている。

ここが難しいところである。
たとえば、Webサイトの制作の場合、表面的には紙の会社案内が、ページ毎に細分化されていて自分でもディレクションはそんな難しいことではない、と考える。
しかし、それはあくまで見えている部分で、今時のSEO的考え方はさらさらない、しかもLPOという考え方も必要だ。さらにはデータベースとの連携のためのプログラムが裏で動いていたりする事も知識がないと全く見えない。
その知識もなくWebサイトをディレクションした場合、ある意味機能しない非常に偏ったサイトができあがってしまう可能性が高いのである。
そして中小の広告会社が手掛けるWebサイトは、やはりそういったサイトが多いようである。

特にWebサイトの場合は、ビジネスの場を用意するという発想が重要だ。
つまり従来の印刷物と違い、完成が終わりではなく、完成した時点が始まりなのである。
ネットの知識があるかないかで、出来上がるものが180度違うことがありうる。
だからまずネットの勉強をしなければならないのだ。楽してその道は切り開けない。

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読みごたえあり「基礎から学べる広告の総合講座」

日経広告研究所から「2008 基礎から学べる広告の総合講座」が出版された。
従来から年に一度発行されていた「広告に携わる人の総合講座」が今回より改題されたようである。

基礎からとあるが、内容は現場歴何十年という私にとっても読みごたえのあるもので、日頃クライアントに提案している考え方を再整理する意味でも非常に役に立つと感じた。

最近何かと話題のクロスメディア、クロスコミュニケーション、メディアニュートラル、AISAS、Web2.0、ブランディングなどのキーワードが全体にちりばめられていて、現在の広告業界の関心事が一冊で俯瞰できる優れものの書籍である。

3500円を高いと見るかお値打ちと見るか、それぞれの価値観で意見は分かれるとは思うが、少なくても私には安い買い物であった。

今まさに大きな転換期にある広告業界。読んでみて、なるほどと実感するのは、やはり5年前、10年前と戦略も戦術も大きく変わっていることである。すでに死語とはなっているが、まさにドッグイヤーのごとく。
普通にしていたらあっという間に時代から取り残されてしまう、そんな危機感をあらためて強く抱いた。
いずれにしても、広告に携わる全ての人におすすめの一冊であることは間違いない。

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時差10時間、TVの限界を見た?「フィギュアグランプリファイナル」

イタリア・トリノ。この季節、日本との時差は8時間ある。
そのトリノで、フィギュアスケートのグランプリファイナル、フリー演技が開催され、
夜の7時からTVの中継があった。
しかし、その結果を知ったのは、朝の8時からの「ザ・サンデー」の番組内。
唐突にキムヨナ優勝、浅田真央2位と速報で告げられたからである。
夜の中継まで10時間近く前である。トリノとの時差8時間より長い。

仮にTVの速報が無くても、ネットが普及した今、10時間余りを情報と隔絶された状況で
過ごすことは至難の業である。
そんな状況で夜の中継まで待たせるのはもはや時代錯誤もはなはだしいのではないか。

確かにスポンサーありきのTV局のビジネスでは視聴率が取れるAタイムで放送することは
ある意味、業界の常識ではある。
しかし、その常識が通用しなくなってきているのも事実であるし、
TVの限界を自ら宣言している気がしてならない。

スポーツの魅力は、予測できないドラマ性にある。
結果を知ってみるスポーツほど興ざめなものはない。

そろそろTV局のタイム至上主義のビジネスモデルを再構築する時期に来ているのではと
このフィギュアスケートグランプリファイナルの中継を見て感じた。

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映画「ラブソングができるまで」

ヒュー・グラント、相変わらずの健在ぶりである。
おかしいけど、少し哀しく、最後は心温まる、そんな主人公を演じさせたら、相変わらず彼の右に出るものはいないと思う。

今回演じるのは、80年代に大ヒットを記録したが今は落ちぶれている元ポップスター。
相手役は、年齢を経て演技に磨きがかかってきたドリュー・バリモア。
彼女が演じるのは、姉の痩身ビジネスを手伝う今は、かつての経験で心に傷を持ち、文章を書くという才能を眠らさせたままでいる女性だ。

あるきっかけで彼が曲を書き、彼女が作詞をし、ある人気シンガーの新曲を手がけることになった。

そんなふたりが一緒に創作を始めた時にこんなやりとりがある。

「気軽に書いてみて、たかが歌詞だろう。」
「歌詞も大事だけど、メロディほどじゃない。」

「分かってない。メロディは第一印象よ。肉体的魅力やセックス。」
「でも、“相手の本当の姿を知ること”が歌詞よ。
 二つが合わさって“魔法”が生まれるの。」

メロディと歌詞の役割を言いえた名言だ。しかもそこに恋愛観をさりげなく載せている。
自分の仕事である、広告づくりで言えば、ビジュアルとコピーの関係にも通じ、このくだりは心に響いた。

歌づくりを通してお互い悩みながら、やがてわかり合っていく、王道のラブストーリーではあるが、ヒュー・グラントとドリュー・バリモアの演技力、人生経験がこの映画にただのラブストーリーではない貴重な味わいを添えている感じがした。

大作ではないが、見終わった後に心の中に温かさが広がるいい映画である。

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村上春樹の距離感

世の中には、村上春樹のファンが多い。そのファンをハルキストと呼んだりする。
何を隠そう、私もハルキストのひとりである。

最近でこそ、彼の作品を読み返す機会は少なくなったが、若いうちは何度も読み返した。
辛いことがあった時にも、何度か救われた。

そんな彼の本に出てくる主人公の魅力は、何と言っても、人との絶妙な距離感にある。
決して人に甘えることなく、ある一定の距離を保って毅然と立っている。
一見クールに見えるけれど、ここぞという時は、人のために自らを犠牲にできる。
ある意味、不器用なほどの武骨さなのだ。

いつしか、そんな主人公の生き方、考え方に自分自身を重ねていた。

群れることを嫌うが実は淋しがりであったり。何気ない顔をすることに努めるが、
実は涙もろく人情派であったり。意気に感ず、そんな言葉が座右の銘であったりする。

人に想いを伝えることは簡単ではない。
その苛立ちに直面するとき、なぜか村上春樹の本に出てくる主人公を思い出すのだ。
決してクールではない。その主人公の不器用さの裏側に潜む優しさ。
そこに到達するために、自分にはまだ少し足りないものがある。
それが何か、今しばらく人生という旅を続けなければならない。

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辛い時は、唇に歌を。

物心ついた頃から、歩きながら、考え事をしながら、食べながら、ついつい歌を口ずさむ癖がついてしまった。
それがこの歳になると、少し気恥ずかしい。
会社にいても、気がつくと小声ながら歌ってしまっている。時には人に聞かれたりする。
でもその癖は抜けない、無意識の行動だからだ。

その時の心理状態を自分なりに分析してみる。
もちろん気分がいい時もあるのだが、逆に、どうしようもなく、ほとほと疲弊している、という時も多い。
「やってられない」とつぶやく代わりに唇に歌だ。

歳のせいか、口ずさむのは昭和の名曲が多い。
定番は「木綿のハンカチーフ」。松本隆×筒見京平の名曲中の名曲だと思う。
確か、やしきたかじんも昭和の名曲のベストワンだというようなことを言っていた。
そんなわけで、歌を口ずさむことで、なんとなく今日までストレスに負けずに頑張ってこられた気がしている。
NO MUSIC,NO LIFE

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AISASのふたつのS

長年、広告業界ではAIDMAの法則というものが、クライアントへの説得の定番となっていた。
AIDMAとは、消費者の態度変容の基本モデルで、Attention(注目、認知)のA、Interest(興味・関心)のI、Demand(欲求)のD、Action(行動)のA、以上の頭文字をとっている。消費者が広告と接することにより、少しづつ態度が変わっていき、最終的には行動が促されるという理論だ。
特に入口のアテンションでは広告会社はTVCMの必要性、重要性を繰り返し説き、TVCM出稿を頂いてきた。ところが、インターネットがインフラとなってきて、態度変容のあらゆる段階で影響を与えるようになり、従来のAIDMAモデルが通用しなくなった。特に認知から興味・関心の部分の乖離が大きかったように思う。
TVCMでどれだけ認知を上げても、なかなか興味・関心の段階へ移って行かない。もちろん、画期的な新商品が生まれにくく商品自体の差別化が難しくなったという背景もあったのだが。
そういった状況の中で、電通が世に出したのが、AISAS理論である。
中でも特に二つのS、Search(検索)とShare(共有)の存在を表層化させた事は目から鱗である。
このことが、中小の広告会社のビジネスモデルに大きな影響を与え始めた。TVCMを売ろうにもなかなか売れない。認知を上げてその先どうなるの?そのクライアントの疑問にきちんと答えられないからである。
つまりTVCMを売るためにも、その先のアクションまでの動線をきちんと確保する必要があり、そのためには二つのSに対して的確に対応できる提案体制、サポートが不可欠なのだ。
しかし、悲しいかなそこが中小の広告会社には全くと言っていいほど、ノウハウの蓄積もスタッフ確保もできていない。
スピード感を持ってどんどんビジネスエリアを拡大する大手広告会社、手をあまねくしかない中小広告会社。このままでは勝ち組、負け組の差はますます大きくなっていくばかりだろう。

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広告も情報なり、雑誌「Something」

名古屋に、「Something」というクリエイター雑誌がある。最近発売された号で、13号を数えた。毎号、名古屋を代表するクリエイターが登場、対談あり、独白ありで熱気に溢れている印象、さすが第一線で活躍中のクリエイターを紹介する雑誌だ。しかし・・・
よく雑誌を読み込んでみると、登場するクリエイター達はほとんどデザイン・Web会社の代表で、しかもその100%近くが、この雑誌の広告主である。さらには過去の雑誌を見てみると登場人物はほとんど同じメンバー。うがった見方をすると、広告出稿=記事掲載という図式なのではないか?(それがどうしたと言われればそれまでだが)
気になるのは、クリエイターを志す若い人たちが読むと、ペイドパブリシティではなく純粋な記事と錯覚する恐れがないか、ということである。
日本雑誌協会に加盟するような会社が出版する雑誌は、記事広告は一般の記事と区別するため、明確に≪広告≫または≪記事≫と謳う基準を設けている。読者を誤解させないための配慮だ。
この雑誌は、大手書店では他の広告・デザイン系雑誌にまぎれて普通に並んでいる。
今でも提灯雑誌は存在するが、広告の価値が低下している今、せめて広告人が参加する雑誌であれば≪広告≫≪PR≫の表示・区別をするくらいのモラルは欲しいと思う。偽装問題がこれだけ騒がれている世の中だから。

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長く生き続けることの意味。

今日は亡くなった父の命日だった。
亡くなったのははるか昔で、普段は思い出す事も正直あまりない。
父が亡くなった歳に自分が近付くにつれ、その年齢以上に自分が生きられないのではないか、そう思うことがしばしばあった。父は病気知らずの人生で、それがある日がんを告知され数ヶ月後には逝ってしまった。あまりのあっけなさに、その時以来死が身近なものになったような気がしている。
いつ死んでもおかしくない。どうせ死ぬなら太く短く生きよう・・・
しかし、父親が亡くなった歳を2年ほど超えてしまった今、長く生き続けることの難しさを感じている。そして、それ自体価値のあることだとも。
父も含めて生きたくても生きられない人もいる。そう思うと、とりあえず元気であることにもっと感謝をしなければいけない。

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「墓場ブランド、儲かるブランド」を読んで。

ブランド戦略、ブランディング。言葉自体はすっかり定着した感があるが、誤った形で使われることも多い。
今ひとつわかりやすく解説した本がない、と思っていたところ、本屋で偶然見つけたのがこの本だった。副題に「世界一やさしい新マーケティング論」とある通り、実にわかりやすく簡潔に書かれており、ブランドについての理解だけでなく、Webマーケティングの入門本としてもおすすめである。
中で目を引いたのが、墓場ブランドの記述である。
墓場ブランドとは、それなりに広告・プロモーションを展開しながらも肝心な時に想起されないブランドのことだそう。
Web2.0の到来により、スターブランドはどんどん強くなり、一方、いちはやいネット対応で多数の無名ブランドも浮上してきて、苦境に立たされる墓場ブランド。
企業と消費者の間にある情報格差により、さしたる特徴がなくてもそれなりに売れてきた墓場ブランドであるが、消費者が情報優位にたった今、そのままでは墓場ブランドには未来はなさそうだ。早々にリングを降りざるを得なくなるのだろう。

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インサイトとペルソナ

最近、クリエイティブの現場で、「インサイト」という言葉がよく聞かれる。
インサイトとは、ターゲットの潜在意識にあって、普段は気づいていないが、メッセージとして投げかけられると「そう言われてみると、そうだよね。なるほど」と共感できる心理ポイントである。
最近読んだ濱川智著「最強のWebコミュニケーションシナリオ」では、「お客様の共感を呼び起こすための心のスイッチ」とも書いてあった。
共感を呼び起こすためには、「より、わたしだけへのメッセージ」であることが大切であり、そのためには、ターゲット像をより具体的に明確にすることが必要である。それは「ペルソナ」づくりという作業に置き換えられる。
最近、住宅会社の広告表現の検討で、社内でこんな事があった。
ある者がファミリーに向けてのメッセージで「子供が走って帰リたくなる家」とのキャッチフレーズに異常に固執している。ちょっと待てよ、である。レトリックと言えば常套手段ではあるが少し考えが古すぎないか。
子供が走って帰るというのはあくまで目に見える行為・結果であり、なぜその行為が起こされるのか、その心理の中にこそインサイトがあるはずである。
ましてや忙しい母親がターゲットであれば「家事中でも、できれば視線の中に子供を置いておきたい」という特有のインサイトがあったりするのではないだろうか(あくまで仮説であるが)。
いずれにしてもますます多様化するこの時代、共感を創造するためには、より「私に対してのメッセージ」と思ってもらうことが大切であり、そのためにはインサイトとペルソナの設定が重要なのだ。

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人前で話すということ

仕事柄、人前で話すという機会は多い。打合せであったり、会議であったり。
プレゼンテーションはその最たる場である。今では当たり前のようになり特に緊張する事もないが、実は若い頃は話す事が苦手であった。意識していてもついつい早口になってしまう、同じ話を何度も繰り返してしまうなど。さらにはクライアント先の社長に「君は人の話を聞く前にすぐ結論を口にする」と叱咤された事もあった。
それがなんとか自然に話す事ができるようになったのは、40代に入った頃からだろうか。振り返ってみれば、インターネットが世に注目され始めた頃である。インターネットがまだ山のものか海のものかもわからないような状態で、その衝撃からやみくもに勉強していた自分に対して、どのように仕事に生かしたらいいか、さまざまな企業からアドバイスを求められた。知識が上回ると不思議なもので話す自分にも自信がわいてくる。また相談する側の知識不足も手伝って、インターネットの話には真剣に耳を傾けてくれた。そんな善循環が知らず知らずのうちに口下手を改善してくれたようだ。
この分野だけは誰にも負けない、そんな強みを持つこと。当たり前のようであるが、テクニックよりもビジネスではそれが話し上手になる秘訣の気がしている。

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リスティング広告は峠を越えた?

リスティング広告。検索エンジン連動型広告とも言う。
ユーザーが検索エンジンを使って気になるキーワードで検索をかけた時に、検索結果表画面に広告が表示される。
サイト誘導の手段としてすっかり定着した。その魅力は、費用対効果が高いこと。ユーザーの見込み度が高いこと。また、その効果によって、キーワードを柔軟に変更できること。そのあたりであろうか。
しかし、ほとんどの企業がリスティング広告を使うようになって、人気のキーワードの高騰ぶりは留まるところを知らない。また、それに伴い、クリック後の直帰率も上がっているような気がする。クリック率は良くて数%~10%程度と言われるが、ビッグワードを無駄にクリックされるとすぐ金額が嵩んでしまうのでクリック率だけを追求するわけにもいかない。
要は、クリックはあくまでサイトへ誘導する手段に過ぎないということだ。肝心なのはサイト自体の中身であり、キーワードとのマッチングなのである。行き着くところ、サイトの内容をユーザーにメリットがある形で充実させ続けて行かなければ、リスティング広告も意味がなくなってしまう。
情報先行の中、とりあえず、もしくは、てっとり早くリスティング広告を、という時期はどうやら越えたようだ。
バナー広告やオプトインメール全盛のタイミングでリスティング広告が世に現れた2002年(?)頃のように、そろそろリスティング広告に変わる新しいネット上の広告もしくは情報サービスが成長してきそうな気がする。いまのところ行動ターゲティング広告がその有力候補であるが、しばらく動向を見守っていきたい。

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「どげんかせんといかん」と「ハニカミ王子」

今年の流行語大賞に選ばれた流行語である。
一方は宮崎・東国原知事。中央主導の政治に置き去りにされた感のある地方の事情を見事に一言に集約し、県知事に当選。その後の活躍はご存じの通りである。
もう一方はゴルフ界の新星、弱冠16歳の石川遼君の愛称。16歳ならではの初々しさが新鮮味にかけるゴルフ界に新風を吹き込んだ。
こうしてみると、この二つの流行語から今という時代が透かして見える気がする。
それはどちらも閉塞感漂う現代へのアンチテーゼだ。なんとかしたい、でもなんともならない。それを誰かに託したい、そんな気持ちの表れがこの二つの言葉に凝縮された。
話は変わるが、少し前の参院選での民主党の勝利も、自民党政治への嫌悪感からのものであるのは間違いない。その期待とは裏腹に、その後の民主党の迷走ぶりは、いかがなものだろうか。大切なのはテクニックや駆け引きではなく、この二つの流行語のような、てらいのないわかりやすさではないか、あらためてそう感じた。シンプルでまっすぐな想いはいつの時代も人を動かす。

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TVCMは崩壊しているか

広告業界、マスコミ業界を騒がせた「TVCM崩壊」。
インターネット業界にとっては福音書的存在でもあるようだ。
日本語版の出版以降、彼らからTVCMが利かなくなったという言葉をよく耳にする。対広告会社の図式では、クライアントを説得する重要な材料となっている。
しかし。現場にいる人間としては、確かに間違っていないとは思うが、反面、まだまだTVCMの効果は、使い方によっては他の媒体では置き換えることができないイニシアティブを持っている事も実感している。
要は使い方なのではないだろうか。
最終的な目的がアクションということであれば、TVCMで認知を挙げるだけでなく、それ以降の動線が重要であり、そのためにはWebを核としたコミュニケーションの全体設計が必須だ。クリエイティブうんぬんの前に、的確な設計図を描くために全体を俯瞰して見る必要がある。そのうち、コミュニケーション設計士のような職業が生まれるかも知れない。

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