アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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【本ばかり読んでて実践しないなら、意味ないじゃん!】それでも本を読む理由とは。

私の読む本のほとんどが、仕事関係の本ということを知っていて、ごくたまに、そんな風に言われることがある。


なので仕事の本ということに限って、本を読む理由を書いてみる。


まずよく考えてみてほしい。
本は商品なわけだから、売れるようにそれなりに脚色されている。
当たり前の話だ。なので、そのまま実践したところで、大抵は本のようには上手くいかない。


ではなぜ、わかっていても、そんなに仕事の本を読むのか?


私の広告会社時代。
ナレーターの技量を示す言葉として「引出し」という言葉がよく会話の中に登場した。
渡されたナレーション原稿に対して、ナレーターが自分の中のどの「引出し」を開けるか。

すなわち「引出し」の数をたくさん持っているナレーターが、レベルの高いナレーターというわけなのだ。
そして、この引出しを数多く持つことは案外と難しい。


私が本を読む理由もこれに近いものがある。

広告やマーケティングの世界では、商品やサービスを売るための導線を考えることを「コミュニケーション設計」と言ったりするが、まさにその際に求められるのが、先に挙げた「引出し」の数なのではないだろうか。

なので、コミュニケーション戦略と考えれば、すなわち引出しの数は「武器」の数と言えなくもない。


話をもとに戻そう。特に今、なぜ仕事の本をたくさん読むのか?

現代はマス広告以外にSNSとかも登場して、マーケティングコミュニケーションは、より複雑に、より多層になってきている。


なので、コミュニケーションを考える際には、あらゆるケースを想定して「引出し」の数は多ければ多いほど、戦略の精度は上がるというのが、今の私の考え方だ。

数が少なければその逆、特にネットへの理解が薄ければ提案そのものが片手落ちにもなりかねない。
だからこそ知っていた方が良いこと、知っておかなければならないことは、ますます増えているのだ。


それゆえに、あくまでそのまま実践するのではなく、実践するためのシミュレーション材料として情報を持っておくに越したことはない、というのが今の私の「仕事の本を読む理由」なのである。


ただ冒頭にも書いた通り、情報に振り回されてはいけない。
本の中の盛られた部分は自らのフィルターで濾過できるだけの冷静さ、知見が求められる。


とかなんとかいっても、今のところ、私の「引出し」はあまり使われていないのは事実(笑)

それでも、その日に備えて、今日も本を読むのです。

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美濃焼の町で感じた、愛されるお店のつくり方。

その店、「だいどこ やぶれ傘」に着いたのは、開店時間5時の5分くらい前。

路地入口

店は路地を少し入ったところ。路地には明かりもなく薄暗く、店の前には猫が数匹、なんとものんびりとした風情に包まれていた。反対方面から来たのでよくわからなかったが、気づけばJR多治見駅からほぼ2分という至近距離。名古屋から快速に乗れば30分ちょっとで駅まで着くわけだから、大都市ではありえないこのロケーションも魅力である。

なぜこの店なのかというと、ナガオカケンメイさんのd&dプロジェクトのひとつ「d&d Travel GIFU」で紹介されたこと。懇意にしている岡田さんが、それを読んでさっそくアクションを起こしてくれた。あいかわらず反応が早くてすばらしい、まさに神対応(笑)

「だいどこ やぶれ傘」は、地元で評判の居酒屋。外の静けさが嘘のようで、開店間際というのに店内は活気に包まれていた。

食材と店内

とはいえ、基本的に地元の常連客を大切にしているお店。当日も予約で一杯とのことだったが、開店後もコの字型のカウンター周りはしばらく私たち二人だけ。聞くところによれば、予約は常連客メインの2階から埋まり、ついで囲炉裡まわり、最後にカウンター周りとなるらしい。そのカウンター周りも予約は入っているものの常連のお客さんが来る時間はアバウトらしく、帰る頃にようやく埋まるようなゆるさ。そんな中で、途中フリーのお客は、予約でいっぱいと断られていた。無理にお客を増やさず、あくまで地元の人を大切にする、そんな考え方を大事にしているお店だということがあらためてわかった。

さて。肝心な料理である。この店にはお品書きも料金表も一切ない。1月に行った伊勢の一月家もそうだったが、愛される店はお客様と距離が近く、お客様との信頼関係の上に成り立っているのだ。ゆえに決め事も少ない。そもそも何がいくら、高いか安いか、この店はどうのこうのという話は存在しないのだろう。お店の価値観に納得できる人が常連になり、納得できない人は再びやってはこない。こうしてお客様の質とお店との相性レベルが上がっていく。それが店を磨いていくのだ。

注文は、目の前に並んだ食材、オススメの食材をお店の人と会話しながら決めるスタイル。お酒も同様である。この会話がまた、なかなか楽しい。注文のついでに食材の調理方法を聞いたり、食べ方のアドバイスをもらったり。お店の人の気さくな人柄が、食べる前の期待感をさらに盛りたててくれる。こうしたちょっとしたやりとりが、チェーン店では体験できない楽しみのひとつなのだとあらためて思った。

食材


目の前にならぶ食材は今採れる地の野菜が中心。焼鳥やメンチカツ、クリームコロッケも頼んだが、新玉ねぎ、セリ、巨大なナメコ、こしあぶら(隣のお客さんから頂いた)、手作りの朴葉ずしなど、どれも絶妙の味。そしてお酒も当然、地元の酒「三千盛」がメイン。そして、意外なヒットが隣町、八百津の酒「富」。濃醇で、米の旨みが感じられる美味しいお酒だった。

新たまねぎ

なめこの生姜醤油焼

こしあぶら

揚げ物

片口に八百津の酒

いわずもがな、この店のもうひとつの楽しみは、器として使っている地元の美濃焼。そもそも開店当時から美濃焼を使っていたようだが、今では美濃焼の作家さんたちが、自身の焼いた器を使って欲しいと持参してくるようになったらしい。味わいのある美濃焼が素材を活かした料理と相まってなんとも言えない世界を醸し出している。お店の人は「割ってはいけないので食器洗いが大変」とこぼしていたが…(笑)そんなこんなで、予約の制限時間はあっという間に終わってしまった。

美濃焼の器

特別なものは何もない。季節を感じられる、のびのびと育った地元の食材と地元で焼かれた器。そして、お店を支える地元の人たち。お客たちもその一員だ。そんな当たり前の要素が互いに響き合って、ここでしか味わえない独特の空気感を作り出している。どんな料理よりそれが最高のご馳走なのかもしれない。時折、そっと目の前に様子を見にあらわれる女将さん。居酒屋を開くために多治見に移り住み、思いを実現させたという彼女の人柄によるところも大きいのだろう。

良い店とは求めて作るものではなく、時間の経過の中で自然と作り上げられていくものなのだ。だからこそ、経営者は何を考えるべきか、何を大切にすべきか。小さなお店のブランディング(ブランディングという言葉を使うかどうかも微妙であるが)はかくあるべき。そんなことを考えつつ存分に楽しんだ一夜だった。岡田さん、今日もありがとう。


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なやばし夜イチに見る、商いの新潮流。

先週の金曜日。新しくはじめるプロジェクトの参考にと、制作会社社長の岡田さんを誘って、納屋橋で月一開催の「なやばし夜イチ」に出かけた。

特に今回は、前々から楽しみにしていた、東海地区の酒蔵が集まる「日本酒夜イチ」の日。

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われわれが納屋橋に到着したのは午後6時ごろ。普通の会社員ならまだ仕事の真っ最中といった時間だろう。にもかかわらず、会場にはもうそこそこの人出があった。しかも、圧倒的に多いのは女性客。

あいにく時おり強風が吹く寒い日だったが、5枚綴り1,300円のチケットとおちょこを片手に、みな思い思いの日本酒を楽しんでいた。

日本酒の消費量自体はもう何年も続けて右肩下がりだそうだが、この様子をみるかぎり、日本酒人気の復活はまちがいなく本物だ。今の時代、消費を牽引する力は女性の手に握られていると言っても過言ではないのだから。

問題はこの人気をどのように実際の購買につなげていくか。ここにはまだ発掘されていない新しいアイデアが求められるところではないだろうか。

そして、なやばし夜イチのもうひとつの楽しみは、小さな飲食店の出店。

地元のオーガニックな食材を使った軽食やつまみが気軽に楽しめる。人気のお店には常連といったようなお客さんが付いていて穏やかな空気に包まれていた。

このムーブメントは、アメリカのシアトルあたりで始まり、ポートランドで新たな価値としてすっかり定着した。最近読んだ本によれば、シアトルではあのスターバックスも名前を隠して、ムーブメントの象徴ともいえるサードコーヒーの店を出店しているとか。

長く続いた、大企業主導の大量生産・大量消費の時代。たくさん作るから成り立つビジネス、ポイントは、安さと効率性にあった。テレビCMは消費者の背中を押す強力な武器となった。

しかし今はどうだろうか。

ちょっと高くても、生産者の顔が見えて安心できるもの。手間暇かけた「非効率さ」に価値があったりする。そう、時代は大きな転換点を迎えているのだ。

こういった時代では、大企業はメリットを発揮できない。はっきり言って、小回りの効く中小企業の出番。だから小さな会社こそ、大企業が提供できない独自価値を追求すべき時なのだ。



なやばし夜イチ。お客様とわずか数十センチの距離で交わされる、まさに小商いの世界。

彼らの楽しそうな笑顔をみていると、明らかに世の中の価値基準が変わってきていることを感じる。なかなか目には見えにくいけれど、それはゆっくり確実に。

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「世の中の体温を上げる。」Soup Stoxk Tokyoの見事な企業理念。

スープストックトーキョーの創業者、遠山正道さん、そして取締役社長の松尾真継さんと取締役の江澤身和さんのオンラインセミナーに参加した。

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第1部が遠山正道に学ぶ「Soup Stock Tokyoという作品」の描き方。
第2部が「Soup Stock Tokyoという作品」のつくり方。

今年2月、これまでは株式会社スマイルズの1事業だった「Soup Stoxk Tokyo」を分社化し、独立した会社としてスタートさせた。そして新たに掲げた企業理念が「世の中の体温を上げる」だ。

スープゆえに、身体を温める→体温が上がる。という発想がベースだと思うのだが、それを世の中への価値にまで昇華させている、見事な経営理念ではないか。

ビジネスとしてはまず顧客満足ありきであることはどの会社にも共通だが、体温を上げるには、単なる満足ではそうはいかない。つまり、満足以上の「感動」を与えることによってはじめて世の中を変えられる、そんな決意にも似た強い思いが見事に込められている。

今後は、この企業理念をもとに、やるべきことやらざるべきことが、より短い時間で社員一人ひとりの自主性でジャッジされるようになるだろう。

セミナーでは、その理念を象徴する1例として、1月7日限定の「七草粥」の提供、母の日ギフトへの一言メッセージの取り組みなどが紹介された。まさに理念が具現化された好例である。

たっぷり2時間、「Soup Stoxk Tokyoのブランド戦略」に参加して、あらためて思ったこと。

ブランドとは作ろうとして作れるものではないとよく言われるが、遠山さんの話を聞いていると、いやそうではないのではないかと。ブランドは作るべくして作るもの。要はどこまでの時間軸、空間でその姿を想像できているか。その想像力こそブランド戦略の出発点であり肝なのだとあらためて思った。

理念経営の話となるとよく登場するのがスターバックスやザッポスなどの海外企業。いやそれだけではない、どっこい日本にはSoup Stoxk Tokyoがあった。この先のSoup Stoxk Tokyoの展開がまたまた楽しみになった。

中小企業ブランディングに占める“写真”の重要性

広告業界に身を置いていた時から、写真に対する企業の意識が低いような気がしてならない。

ブランディングの重要な要素として写真を考えれば、十分に競合他社との違いを作れるのにと、残念に思う機会も多々あった。

それではなぜ進まないか?とあらためて考えてみた場合、写真が広告を管理する広告代理店や印刷会社の付属物的な扱いにあるからではないだろうか。

つまり広告やパンフレットなどを作る際に写真を撮影することがあっても、それはあくまでもそれぞれの広告や印刷物のイメージに対してのものであり、企業全体に対してのものではない。

おのずと、広告会社が変われば広告ごとのイメージが出来上がり、企業の一貫したイメージを形成するものでなくなってしまう。

今、企業の使用する写真にとって重要なのは、広告ごとの作られたイメージではなく、企業の持つ強みや独自性、または企業文化をありのままにリアルに切り取る“伝わる”写真なのである。

そのためには、企業の中の特定な部署が、専属のカメラマンのもとに一貫して同じトーンで撮影を行うことが重要だと考える。

特にブランディングの基本が「継続性」と「一貫性」であるなら、なおさらだろう。

写真の持つ伝達力は、優れたカメラマンの手にかかれば、想像以上に大きい。

この先、中小企業がブランディングを考えるのであれば、間違いなく写真の優先順位を上げる必要がある。

~成功する会社はなぜ「写真」を大事にするのか、を読んで。

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