アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

めざすのは、月曜の朝がいちばん楽しい会社。

株式会社イマジナ社長関野吉記氏の書いた「想いをブランディングする経営」を読んだ。

イマジナは、企業ブランディングを通して「月曜の朝がいちばん楽しい会社」を作っていこうと考えている会社だ。



私自身の長い会社勤めの経験で、はたして月曜日が楽しいと思えることがあっただろうか。
振り返ってみても、おそらく数えるほどしかないだろう。

月曜日の朝がいちばん楽しい会社。本書には企業ブランディングに取り組む、10社の中小企業の具体的な事例が登場する。そのいずれもが、確かにこんな会社なら働く社員も月曜日の朝が楽しくなるのだろうな、と思わせる何かを持っている。

それが何であるか。著者の関野氏によれば、それはずばり「経営者の想い」である。

想いとは、自社の事業により今より幸せな世の中にしたいとか、一緒に働く社員を幸せにしたいとか、さまざまあるが、共通するのは、自分自身が主語でないことだ。

一流を目指すなら、まず一流の考え方を持たなければならない。もちろん人も企業もである。私自身、あらためて学ばせてもらった。

さて本書の著者である関野氏が代表を務める株式会社イマジナは、先の「月曜日の朝がいちばん楽しい会社」をキャッチフレーズに、企業価値を高めるさまざまなサービスを提供している。そして、その中心となるのが、もう一人の代表、奥山由実子氏が推進する、企業カルチャーを中心に会社の想いをブランディングする「カルチャーブランディングプロジェクト」だ。

カルチャーブランディングとは耳慣れない言葉であるが、企業文化こそ「月曜日の朝がいちばん楽しい会社」をつくるための重要なエッセンスであり、企業文化を社内外に浸透させることで、差別化されたブランド認知を生み出し、エンゲージメントを創造し、企業価値を高める。そんな企業ブランディング構築のアプローチ方法だ。

ひと言にブランディングと言うが、その実態、取り組み方は千差万別で永遠に答えのないものだ。しかもその成果は目に見えるものではない。

それだけに「月曜の朝がいちばん楽しい会社」は考え方として非常にわかりやすのではないだろうか。

重要なのは、こうありたいと強く想うことだ。そしてその想いを愚直に形にしていくこと。短期に答えを求めるのではなく長期に渡って根気よく取り組むことも大切である。

株式会社イマジナが提唱する、想いをブランディングする経営。本書自体がイマジナのブランディングの重要な役割を果たしており、本書を読んで私自身もぜひ直接話を聞いてみたいと思った次第。

企業ブランディングに取り組むも、なかなか上手くいかない。そんな悩みを抱えているのであれば、ぜひ一読をおすすめしたい。

挫折も未来の成功につながる点。大切なのは「信じること」

ジョンソンエンドジョンソン、シェル石油など、数々の外資系企業の日本法人で社長を務めた新将命氏が書いた「信じる力」を読んだ。



つい先日も『「生きた戦略」の条件』が出版され読んだばかり。

その記憶も冷めやらずのホットな状況で読んだ新刊は、経営者として自ら体験した、夢を現実に変える成功法則を書いたものだ。

テーマはタイトルそのままに「信じる力」。

新氏は32歳の時に「45歳までに社長になる」という目標を立てたそうだ。そして実際に45歳でジョンソンエンドジョンソンの社長になった。

本書はその経験をもとに、自分の目標の達成に「信じる力」がどのように働いたか、それを振り返って考えたことがきっかけになっているそうだ。

新氏は、目標達成のために次の5つの信じる力が必要であると言っている。

すなわち
・自分を信じる力
・人を信じる力
・運を信じる力
・夢を信じる力
・未来を信じる力

中でも私が心を打たれたのが、未来を信じる力について書いた第5章。「どん底にいるとき、未来を信じることができるか?」

この章に登場するのは、スティーブ・ジョブズががんを患った後、スタンフォード大学の卒業式で行われたスピーチ。

大学を中退し、カリグラフィの講座に熱中したことがその後のマッキントッシュの開発につながった経験から、今自分がやっていることは必ず将来につながると語った伝説のスピーチである。

ジョブズはこう語る。

「だから大切なことは、いま自分がしていること、つまり一つの点が、なんらかの形で将来の点とつながっていくのだと、信じることです。それが勘だろうが、運命だろうが、人生だろうが、カルマだろうがなんでもかまわない、なにかを信じるべきなのです」

人は追い詰められた時、ほとんどの人は自身の不運さを嘆くだろう。けれどその苦しい時こそ将来につながっているのだ。だからこそ、投げやりになるのではなく自分を信じて、たとえ小さくてもできることをコツコツ積み上げること。

新氏が大切にし実践し結果につなげてきた「信じる力」。先が見えにくい世の中だからこそ、スキルを磨く前に、いま一度見直しておきたい基本能力なのかもしれない。

その哲学は未来を照らす無形の資産。

アチーブメント社長、青木仁志氏とPHP研究所専務の佐藤悌二郎氏の対談、「松下幸之助に学ぶ希望の哲学」を読んだ。



青木氏は自他共に認める松下幸之助の熱烈な信奉者、理念経営でもおなじみの人である。

そんな彼がぜひにと望んで実現したのが今回の対談、相手は松下幸之助研究の第一人者、佐藤氏だ。

舞台はハワイで、ふたりによれば三日間に渡る大変濃密な時間だったという。

その3日間の内容、

1日目:繁栄の哲学
2日目:指導者の哲学
3日目:生き方の哲学

経営からリーダーシップ、そして人生そのものへ。青木氏が自身の描いていた幸之助像をひとつひとつ佐藤氏に確かめるように話が展開されていく。

ご存知のとおり、どうすれば豊かな人生を送れるのか、どうすれば社員を幸せにできるのか、どうすれば社会は平和になるのか、生涯を通して追い求め続けた松下幸之助。

佐藤氏が、幸之助の理念を継承できる数少ない一人と公言する青木氏にとっても至福の時間であったことが、本書の端々から伝わってきて、読んでいる自分も幸せな気分になれた。

今でこそ企業の社会的責任であるとか、事業の経済性と社会性の両立であるとかが叫ばれる時代になったが、松下幸之助はそんなことが話題にも出なかった時から、当たり前のように考え実行してきた。

世の中が変化しても忘れてはいけない、いや世の中が進化すればするほど重要になってきている人としての原理原則。

社員や社会への責任を持つべき経営者はもちろん、私たちにとっても、進むべき道を正しく照らしてくれる幸之助を学ぶ意味は大きい。

今こそドラッカーの人間主義的マネジメントが必要な時。

慶應義塾大学商学部教授、菊澤研宗氏が書いた「ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー」を読んだ。



私を含め、日本にはドラッカーのマネジメント理論を敬愛する人間が多いが、菊澤氏によれば、経営学の本場アメリカでは、もはや学問としては一顧だにしないらしい。そんなまさか!というのは、あまりにもアメリカの現状を知らなさすぎるということになるのだろうか。

その大きな理由が、どうもアメリカにおける経営学の「科学化」にあるらしいのだ。

科学化とはつまり、統計学によるデータ至上主義だ。

しかしながらそのデータ至上主義が、本来あるべき経営学の姿をいつの間にか希薄にさせてしまっているという、なんとも皮肉な現実。

ゆえに、今こそドラッカー経営学が見直されるべき、というのが本書のテーマである。

アメリカにおけるデータ至上主義の結果、顕著となったのが経済合理性の過剰な追求だ。

企業の目的が利益の最大化や株主価値の最大化にしかないとしたら、何が起こるか。

言わずもがなであるが、不正を容認したり、短期的な利益に走るあまり長期的な利益を無視したり、社員満足を犠牲にしたりとなったりするのだ。

このような不条理が起きないためにも、哲学的なドラッカーのマネジメント論が必要になるわけである。

そんな前提条件を踏まえて、ドラッカーの人間主義的マネジメントが展開されるので、はじめてドラッカーに接するという人にも腹落ちしやすいのではないだろうか。

さらに本書ではドラッカーの人間主義的マネジメントを補完する目的でカント哲学も登場する。

カントいわく、「人間は一方で他律的であるとともに、他方で自立的な存在でもある。この人間の他律性を対象にしているのが経済合理的マネジメントであり、インセンティブ等で経営者は従業員を統制することはできるが、他律的である分長くは続かない。最終的には人の自律性を引き出すマネジメントが必要になる。」

他律か自律か、このあたり土曜日の勉強会でも議論したばかりであるが、企業が持続的な成長を求めるなら、自律を尊重する人間的マネジメントが優先されるべきなのは疑う余地がない。

世の中がどのように変わろうと、経営は働く人がいてはじめて成立するものであり、そういう意味ではドラッカーの提唱する人間的マネジメントは永遠に不滅であると、本書を読んで思いを強くした。

企業ブランディングを主導する、チーフカルチャーオフィサー の存在。

株式会社イマジナ社長、関野吉記氏が書いた『チーフカルチャーオフィサー が会社を伸ばす! ---企業ブランディングを成功させる「37」のヒント』を読んだ。



外資系企業ならともかく最近は日本企業でも、やれCEOだ、やれCOOだ、はたまたCFOだと何かと騒がしい。
そして、その極め付けが、本書のテーマでもある、CCOだ。

CCOとは耳慣れない言葉だが、チーフ・コミュニケーション・オフィサーの頭文字。

なるほど、呼び名は別として、個人的にはこんな役割の責任者が企業には必要だと常々思っていた、そんな存在である。

CCOが携わる主業務は、ずばり「企業ブランディング」。
ブランディングには外向きのメッセージ=アウターブランディングと社員向けのメッセージ=インナーブランディングがあるが、CCOは特にインナーブランディングへの貢献が大いに期待されると関野氏はいう。

本書ではブランディングの求心力を作る存在としての「企業理念」に、ほとんどのページを割いている。
企業理念の価値、企業理念の必要性、企業理念の浸透のさせ方などなど、37のポイントで紹介する。

本書を読めば、なぜ経営に「企業理念」が必要なのか?いやがおうでも、その理由がよくわかるというものだ。

このところマスコミでは、日本政府の成長戦略の重要な要素として「企業の持続的成長と企業価値向上」がよく取り上げられているが、まだまだ短期の利益に意識が行きがちなのが現実ではないだろうか。
ただでさえ先行き不透明な時代なのに、効果が見えにくい企業ブランディングなどにお金をかける余裕などないというのが本音だろう。

しかしながら、だからいつまで経っても価格競争から抜けられないのだというのが、私の正直な想いだ。

企業ブランディングの価値は年々高まってきている。ゆえに名称は別にして、企業内に企業ブランディングの専門家を置くか育てることが今後ますます増えていくと推測する。

企業の将来のためにも、なぜ今CCOが重要なのか、そしてなぜ企業ブランディングが必要なのか。
大きな時代の転換期にある今だからこそ、その理由をあらためて確かめてみるのに良いタイミングではないだろうか。、

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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